2026年11月6日付
2026年9月27日、特別講演&実践報告シンポジウム「米国ボーイズタウンのプログラム開発者から学ぶ 子ども・家庭支援」が、沖縄県浦添市のアイム・ユニバース てだこホールを会場に、オンライン配信を併用して開催された。台風の影響が心配される中、会場には110名、オンラインでは108名、計218名が参加した。米国ボーイズタウンの講師による特別講演と、日本各地の実践者による報告を通じて、これからの子ども・家庭支援について考えた。
オープニングでは、一般社団法人たっくたっくと一般社団法人千和の子どもたち22名が、けん玉のパフォーマンスを披露した。子どもたちは、普段の遊びの中で練習してきた技に挑戦。演技の前には、日頃から学んでいる「落ち着くスキル」を使い、3回の深呼吸で気持ちを整えた。会場の手拍子や声援を受けながら、一人ひとりの技や仲間とつなぐ大皿リレーを披露し、大きな拍手が送られた。


続いて、主催者を代表して、一般社団法人日本ボーイズタウンプログラム振興機構(IBPF-Japan)代表理事の久山康彦リチャード博士が開会の挨拶を行った。久山博士は、子どもは家庭や学校でさまざまなことを見聞きし、社会で生きていくための行動を学んでいると説明した。保護者が悩む「問題行動」についても、「子どもが悪いのではない」と強調し、望ましい行動の仕方が子どもに十分に伝わっていない場合があると述べた。そのうえで、良い行動を具体的に教える方法を研究してきたボーイズタウンの取り組みを紹介した。また、今回の講演を通じて、コモンセンスペアレンティング(CSP)をはじめとするプログラムがなぜ効果を発揮するのか、そして、それを実践する指導者の育成がなぜ大切なのかを、開発と指導に携わってきた講師から学んでほしいと伝えた。参加者が、自分の子どもや地域の子どもたちを支えるための何かを持ち帰ることを願い、挨拶を締めくくった。

後援団体や協賛・協力企業などの紹介を経て、第1部の特別講演へと移った。ステフ・ジェンセン氏、続いてブリジット・バーンズ氏が登壇し、日本語の同時通訳とともに講演が行われた。


第2部では、学童部会、発達支援部会、親支援部会、施設部会の4部会が発表を行った。それぞれの現場でのCSPの実践や、子ども・保護者・職員の変化、取り組みを通じて得られた経験が報告され、その後、会場とオンラインの参加者からの質問に答える質疑応答が行われた。






閉会にあたり、一般社団法人たっくたっくの伊波就子代表が挨拶を行った。伊波代表は、子どもに社会スキルを教えることは、友達との関わり方や、困ったときに助けを求める方法など、日々の小さな経験をともに積み重ねていくことだと述べた。オープニングのけん玉にも触れ、できるようになった結果だけでなく、失敗を重ね、仲間と練習し、成功を喜び合う過程を大切にしていると語った。また、新しいプログラムであるTime to Enrich(TTE)を通じて、子ども一人ひとりの力を伸ばし、家庭や地域、支援する大人もともに豊かになる取り組みを、沖縄から広げていきたいと述べた。家庭・学校・学童・地域の関係者が知識や経験を持ち寄り、この日学んだことや新たなつながりを、それぞれの地域で子どもと家庭を支える力にしてほしいと呼びかけた。

その後、伊波代表と一般社団法人千和の神田慎也代表から、ジェンセン氏とバーンズ氏へ記念品が贈呈された。記念品には、千和の職員がデザインした、オープニングで子どもたちが着用したものと同じTシャツと、けん玉が用意された。

最後に、両講師、主催・共催団体の代表者、部会の発表者らによるフォトセッションを行い、シンポジウムは閉会した。


本シンポジウムでは、米国ボーイズタウンの講師による講演と、4部会による実践報告を通じて、子どもに必要なスキルを具体的に教えること、そして家庭や学校、学童、福祉の現場が連携して子どもと保護者を支えることの大切さが語られた。
これまで日本各地で積み重ねてきたCSPの実践に加え、2026年10月から始まるTTEについても紹介された。子ども一人ひとりの可能性を信じ、日々の関わりの中で学びと成長を支えること。その取り組みを地域のつながりの中で広げていくことが、講師と実践者から参加者に呼びかけられた。